危険な彼女

次の日、桜邸………






「あの………お嬢様?」




「何よ」




私は家政婦を睨みつけた。

家政婦は私の睨みに一瞬驚き、
そしてオロオロし始める。



「お弁当でしたらわたくしどもがおつくりいたしますが………」




「それじゃ意味ないのよ!!!」




―意味…ないんだから………




「しかし………」




「もう!!!
うるさいうるさいうるさーい!!

あんたはいつもどおり私のお弁当を作ればいいの!!」




「はあ………かしこまりました」





家政婦はそう言うと、慣れた手つきで料理を始めた。

私もエプロンを着て、
恐る恐る包丁をとる。


ギラリと光る包丁に…
私はゴクリとつばをのんだ。





――私にだって…料理ぐらい……





私は一回深呼吸をし、
野菜を切り始めた。