危険な彼女

「そ、そんな…変よ…そんなの………」




「まあ、俺って変なのかもしれねぇな」




「………奴隷のくせに生意気」




「奴隷でもいいよ。


言っただろ?

何かあったらいつでも飛んでいくって」




「………ばか」




桜が恐る恐る奈津の腰に手を回した。



それに応えるように、奈津も力を込めて抱きしめる。




長い間待っていたのか、桜の肩は少し震えていた。




「………寒くないか?」




「………平気。

こうしてるとあったかい」




そうは言っても相変わらず肩を震わしていているようでは説得力がない。



奈津は、抱きしめていた桜を離すと、自分の着ていた服を桜にかけた。