危険な彼女

亜紀は胸に手を当てたまま、言葉をつなげた。




「最後に………一つ、聞きたいことがあるんだ」




「ん………?」




亜紀は、すぅー、はぁー、と呼吸を整えると、妙に落ち着きを払った声で奈津に問いかけた。




「私、浅倉亜紀は、これからも、なっちゃんの一番の"幼なじみ"で居続けます。

それでも…いいですか?」




迷うまでもなかった。



率直に、ストレートに答える。




「当たり前だろ」




「………ありがとう」




亜紀がニコッと笑った。



まだ、涙が目にたまっていたが、それでも、きれいな笑顔だった。