危険な彼女

自分の気持ちに素直に………



俺がどうしたいか………




………俺が………




………そうか。




何も悩むことなんてなかったんだ。




答えなんて、俺の気持ちなんて、とっくに出てたんじゃないか。





「………答えは…出た?」




彩芽の言葉に奈津は首を振った。




「………答えは出てた」



「そう、それならいいわ」




どこか満足げに言うと、彩芽は立ち上がった。



そして、奈津の部屋から出ていこうとする。




「………あ、姉ちゃん」



「ん?

なあに?」




彩芽は、いつもの意地の悪そうな笑みで首を傾げた。



そして、奈津はそんな彩芽をまっすぐに見て言った。




「………お願いがあるんだ」