危険な彼女

桜に好きと言われたのは初めてではない。




でも、あれは酔った桜であって、今の桜ではなかった。



今の桜は、自分の意思で、自分の気持ちを伝えてくれた。



恥ずかしそうに頬を染め、今でもうつむいてしまっている。





何だろう…?



………単純に嬉しかった。




「あ………え、えぇと………

あ、あれ?
わ、わわわわ私、何か言った?
へへ…変なこと言っちゃった?」



「あ、いや………」




いつになく桜は動揺していた。



顔が真っ赤に染まり、両手を頬に当てて頭を左右に振っていた。




「あ、やだっ!

え、何、うそっ!?

な、なな何で!!?」




それこそ、すごい慌てっぷりと、混乱っぷりだった。