危険な彼女

「………ってわけ。

わかった?」



「え?え?

そ、それだけでいいの?」



「大丈夫。

余程のことがない限り成功するわ」



自信満々と言わんばかりの表情で美冬は笑った。


自分とは違う、大人っぽい笑みに亜紀の顔はどういうわけか赤くなった。


亜紀はそれ以上は何も聞かず、言われた通りにすることにした。




      ◇




そして、次の日………



「あのぉ………


なっ…なっちゃん………」



亜紀がそう言うと、奈津は目をこすりながら亜紀を見た。


目はまだとろんとしていて、なんだかだるそうである。



「んぁ………?

何だ、亜紀か………」



眠そうにあくびをする奈津。


その仕草が亜紀にとってはかなりかわいかったらしく、自然、胸の鼓動が早くなった。



「あ、あのね………

わ、わたし………今日………」



「今日?
何?どうかしたのか?」


亜紀は俯きながら深呼吸をする。


そして、今までで一番であろう勇気を振り絞り、弁当を差し出した。



「お弁当つ、つくってきたら!!

よよよかったら、い…いい一緒に………」



亜紀は気づいていないだろうが、その弁当は逆さまである。