危険な彼女

美冬はニコッと笑い、犬の置物を奈津に差し出した。




「見て見て!

これ、あんたそっくり!」




子供のような、無邪気な口調で言う美冬。



いつもの美冬らしくない言動に、奈津には美冬が無理をしているようにしか見えなかった。




「話したくないんだったら………話さなくていいんだぞ?」




そう言うと、美冬はまた、一瞬だけ表情を曇らせた。



そして、再び口を開く。




「お母さんは私を産んで………亡くなったわ。

そして、双子の片割れ。

私もだけど、未熟児で産まれた私の妹は、私のように産声をあげずに息をひきとった」




そして、またクスリと笑う。




「それに次いで、父が自殺。

お母さんが全て、って感じの人だったみたいで、お母さんが亡くなったって知った三日後には首を吊ってた」