危険な彼女

「………ごめん」




奈津はうつむいたまま謝った。



聞いてはいけないことだった。



誰にだってそういう過去はあるだろうに………




「いいのよ。

顔だって覚えてるわけないし。
写真で見たことある程度だもの」



「いや、でも………ごめん。

ちょっと軽率だった」




そう言うと、美冬は肩をすくめた。



そして、キャベツをかごに放り込むと、奈津を見た。



表情は暗くない。




暗くはないのだが………何かを隠しているような、そんな表情だった。




「あんたって…変わってる」




そして、美冬はクスッと笑った。



奈津にとって初めて見た、美冬の年相応の少女の笑みだった。