危険な彼女

「自分の意志ってことは………

お前、親が出張か何かでいないのか?」




そう聞くと、美冬は一瞬、ほんの一瞬だが、表情を曇らせた。



奈津は、何か聞いちゃいけないことを聞いた気がして、少し慌てた。




「あ、いや………」



「………いないわよ」




美冬は奈津の方を見ずに、野菜の良し悪しを吟味しながらぽつりとつぶやいた。




「………いない?

なんだ、病気で入院とかか?」



「違うの、私が産まれてすぐに死んだの」



「………!」




声の調子は変わらない。



だが、表情が見えないのが気になった。



何だか表情を見せないようにしているようだった。