危険な彼女

「で、何してるわけ?」




奈津は吹き飛ばされた後のため、座ったままタイムセールスの人混みを指差した。



それを見て、美冬は「ああ、なるほどね」、と一言つぶやいてから肩をすくめた。




「あれは無理ね。

諦めたほうがいいわよ?」



「………嫌だ」




そう言われると、ますます負けたくない、妥協したくない。



奈津は基本、負けず嫌いなのだ。




その言葉を聞き、美冬は呆れたようにため息をついた。




「あんたねぇ…」



「同じ主婦として負けたくない」



「あんたは学生でしょうが」



「………気持ちは主婦」




美冬は片手で頭を抱えた。



完璧に呆れたようである。