危険な彼女

「何でこいつは………」




普通に人づき合いができないんだろう。



普通にしてればこんなにかわいいし、性格だって………根は悪くない、多分。



友達だって、自分からつくるものではなく、そんなの自然になるもののはずだ。



現に、亜紀や、美冬や、春だって、桜の友達と言える存在になっている。



しかし、それは桜が、友達になってください、だなんて言ったわけではない。



一緒に遊んで、それを通じて、友人間で知り合って、いつの間にか…友達になった。




そして、みんな、桜といることを嫌だなんて思っていない。



俺だってそうだ。



桜といることは、嫌ではない。




俺たちがこんな気持ちになれているのだから、他の人とだって………




「………まあ、素直じゃねぇからなぁ、こいつは」




自分の気持ちを素直に出せば、きっと伝わる。



それがまだ桜はわかっていない。



なら………




つきあってやる、とことん。



こいつが、せめて、人前でこんな無防備な表情をできるまで、こいつと一緒にいてやる。