危険な彼女

「さぁて、今日は飲むわよー!!」




野菜を切っていると、居間から彩芽の声が聞こえてきた。



自分にめんどくさいことは押しつけておいて、とても楽しそうである。



罪悪感なんてほこり程度もないのだろう。



奈津は、野菜を切りながらどう仕返ししたらいいものかと頭を巡らした。




「奈津〜、なんか余計なこと考えてない〜?」




ビクッ!!



奈津は心臓が飛び上がるかのように跳ねた気がした。




(ど、読心術でも使ってんのか、こいつは…)




夏休み中にもあったが、彩芽は奈津が彩芽への復讐を考えると、心をよんだかのように反応する。




我が姉ながら恐ろしい。




奈津は苦笑いを浮かべながら、本気で思った。