危険な彼女

しばらく、沈黙が続いた。



そんな中、奈津は魔が差したのか、美冬に話しかけていた。




「お前さあ………

将来、何かやりたいこととかあるか?」




そんな、高校生としてはありふれた質問に、意外と美冬はキョトンとした。



つい、紙をめくる手も止まっていた。



そして、イスに座ったまま、くるっと奈津の方へ向き直り、微笑を浮かべると、口を開いた。




「なあに?

私の将来が気になるわけ?」




妙に大人っぽい笑みの後、肩をすくめる。



だが、今の奈津は天井を見ているため、そんな仕草は目に入っていなかった。




「気になるわけじゃねえけどさ…

ほら、お前って何でも器用にこなすじゃん。

そういうやつって何をするんだろうって思ってさ」




奈津はぼんやりと言葉を紡いでいた。