危険な彼女

一方、奈津は気が気でなかった。




さっきから、カーテン越しに




あつっ!…だとか。



もう、何なのよ!!!…だとか。




妙な声が聞こえてくるのである。



その声からすると、間違いなくうまくはいっていないだろう。




ふと、奈津は毎昼、食べさせられている黒こげの物体を思い出した。



あのこげがクレープ生地にうつったらどうなるのだろう。




うまいか、うまいのか、いや、んなわけない。



苦くて苦くて、妙に食感が紙っぽい。




そんなクレープが今からやってくるのだと思うと、じっとしていられなかった。




「………今なら」




逃げよう、はるか遠くに。



そんな無謀とも言える血迷った考えを浮かべたその瞬間、カーテンは開いた。