危険な彼女

背に腹はかえられない。



奈津は辺りを見渡した。



美冬、またはクラスメートがいないことを確認すると、五組の教室に足を踏み入れた。




教室に入ると、そこはがらあんとしていた。



さっき二回か三回ほど見た光景である。




「なんだ、やってねぇのかよ…」




誰が見ても分かるほど人がいなかった。



客だけではない、接客する側もいないのである。



奈津は、諦めて教室を出ようとした。




「あら、お客さんかしら?」




その声に驚いた。



たしかに会って働いている姿を見てみたい、とは思ったが、何もこんな状況でなくてもいいだろう。




「なぁんだ、犬か」



「誰が犬だっ!!!」




奈津は、ばっと振り返り、桜を睨んだ。