危険な彼女

「いてて………」




奈津は、頭をさすりながら言葉をもらした。



不審な言動に疑問をもったのか、桜はさらに詰め寄った。




「聞こえなかった?

あんたのクラスは何をするの?」




隠しきれない。



腰に手をあて、見下すような視線を送られ、奈津は冷や汗をかいた。




「か、カフェ………」




奈津はできるだけ桜と視線を合わさずに言った。



桜がこういう行事を熱心に取り組むとは思えないが、それでも、気まずいものは気まずい。




それに、熱心に取り組みはしないだろうが、桜の性格上、嫌な予感はする。




「ああ、そうなんだ………」




桜は妙に気になる言い方をした。



その声に、奈津の嫌な予感の確信は深まる。




桜は筋金入りの負けず嫌いなのだ。