危険な彼女

奈津はイメージ内で文化祭の現場を作ってみた。




一組と五組。



同じ喫茶店。



となると、競争は必至。



美冬も、こうなってしまっては負けまいと無駄にがんばるだろう。




「疲れそうだ………」




心底これから起こるであろう惨状に巻き込まれたくないらしく、奈津は虚ろな眼差しをした。



それに気づいたのか、もともとそのつもりだったのか、桜が口を開いた。




「そういえば、あんたのクラスは何するの?」




その言葉に、ギクッと体を揺らす。



たらたらと冷や汗がこめかみを伝い、頭の中で言葉を探した。



しかし、そんな都合よく言い訳なんて出るわけない。




「………奈津?」



「うわぁ!!!」




気がつくと、目の前には桜の顔があった。