危険な彼女

「ほら、はやくはやく!」




いきなり腕をつかまれ、無理やり立たされる。



亜紀の恐怖は高まるばかりだった。




「………い…ゃ………」




恐怖の中、絞り出すように言葉を出す。



しかし、男たちは聞く耳もたなかった。




「大丈夫大丈夫!」



「心配しないで、ちょっと遊ぶだけだよ」



「そうそう」




どんどん引きづられていく。



ふいに、昔の記憶が蘇ってきた。





昔、近所にいたガキ大将のような男の子にいじめられていた。



いつもおどおどしていた亜紀が気にくわなかったのだろう。



ガキ大将とその手下みたいな人の三人。



亜紀は三人に囲まれてはいつも泣かされていた。





そして、助けて、と言ったら、いつも彼が助けに来てくれた。