危険な彼女

その後、買い物を済ませた奈津と桜は店を出た。


もちろん、外には執事やら運転手やらが待っていた。




「お買い物はお済みになられましたか?」



「えぇ、終わったわよ。

それじゃ、車出して」



「かしこまりました」




そう言って執事は桜の荷物を持ち車に向かった。


奈津もそのあとに続き、車に乗ろうとした。



………のだが、



「ちょっと、あんた何やってるのよ」



「え?」




突然、思いもよらない言葉をかけられ、奈津の足は止まる。


そして、ゆっくりと桜を見た。



「は?
車に乗ろうと………」



「私は家に帰るのよ?

何であんたまで乗るのよ」



――えぇっと………

ってことは………



「まさか………


徒歩で帰れと?」




「当たり前じゃない」




お、鬼?


こいつは鬼ですか?




改めて桜の鬼畜ぶりを垣間見た奈津であった。