危険な彼女

〜奈津side〜




「くそ…、亜紀のやつどこ行ったんだ?」




奈津は人混みをかき分け、亜紀の姿を探した。



亜紀の格好はピンクの浴衣姿だった。



色的にはわかりやすいのだが、人が多すぎるのが厄介だった。



亜紀は小柄な体型であるため、この人の多さでは頭まで隠れてしまうだろう。



とゆうことは、亜紀を見つけるためには相当近くまでいかなきゃいけない。




「亜紀ー!!」




一応声に出して呼んでみた。



しかし、当然のごとく返事はない。



人が多い、ということはそれだけうるさくなる。


これもまた、近くまでいかないと聞こえないらしい。




「亜紀………」




奈津は一言そうつぶやくと、走る速度を上げた。