危険な彼女

何を言っているのかわからない。



奈津はそんな表情で桜を見た。




「な、何言ってんだ…?

ほっとけ………?」




恐る恐るたずねるように聞くと、桜は怒りとも悲しみともとれる表情で奈津を見つめた。




「そうよ!!!

亜紀ちゃんは今、関係ないじゃない!!!」



「………関係ない…だ?」




いくらなんでも言いすぎだ。



亜紀は泣いていた。



それを見て、そんなこと言うなんて信じられなかった。




「あんた言ったじゃない!!!

今日は、二人だ、って!!!

そこで何で亜紀ちゃんが入ってくるのよ!!?」



「桜………」



「二人なの!!!

二人じゃなきゃダメ!!!」




バシッ!!!




鈍い音が祭りの会場に響いた。