危険な彼女

――短い人生だった………




奈津は空を見上げ、自由に飛び回る鳥たちを見た。



これが最後とばかりに笑みを浮かべる。




「………何にやけんのよ?」



「気にしないでくれ、さあ、ひと思いに一瞬で…」




そう言った次の瞬間、奈津の顔面に何かが飛んできた。



防御なんて、とるはずもなく、とれるはずもなく…



奈津は小さくうめき声をあげ、その飛んできた何かを確認した。




「………鞄?」




それは鞄だった。



某ブランドメーカーのかわいいピンクのハンドバッグ。




「………それ持って」




そう言うと、桜はすたすたと歩き始めた。



しかし、当の奈津は放心状態。




「はやくきなさいっ!!!」



「お、おう………」




遅刻したことを何も言わない桜に疑問を抱きつつ、奈津は慌てて桜を追いかけた。