危険な彼女

振り返った奈津を待っていたのは………





ニタニタと笑う彩芽だった。




「………ぷっ。

うわぁ、ちょっと声色変えただけで引っかかったぁ」



「て、てめぇ………」




たちが悪い、悪すぎる。



一瞬、奈津は本気で彩芽を殴ろうかと思った。




今の奈津に、亜紀はかなり敏感な話題になっていた。



姉の真似すら見抜けないなんて重症である。




「ほらほら、時間はあるんだから、ちゃんと私の晩御飯を作っていきなさい。

じゃないと、ことあるごとにこの声使うわよ?」



「ぐ………」




そう言われ、奈津は初めて心が揺らいだ。



あんな声を度々聞かされたら心臓がもちそうになかったからだ。




「なっちゃん………」



「わ、わかったよ!!!

作るよ、作っていきゃいいんだろ!!?」



「よろしい」




――こいつは悪魔か………?




奈津は改めて彩芽を姉にもったことを恐ろしく思った。