危険な彼女

「………姫川桜って子だよ」



「……………」




そう言われ、彩芽は口元に手を当て考えるような仕草をした。



彩芽は、奈津の交友関係はどちらかと言えばせまいと思っていたため、あまり親しい女の子はいないものだと思っていた。



そのため、言いづらいとなると、亜紀の名前が出てくると思えばあまり聞き覚えのない女の子。




一応教師に該当する彩芽は、必死に頭の中で生徒名簿をあさった。




「………ああ、五組の」




姉弟でも頭の造りが違うらしく、彩芽はあっさりと桜の名前と顔を一致させた。




「にしても、姫川さんねぇ…」



「な、何だよ………」



「あんた、結構人間磁石だったりする?」



「人間磁石って…

何だよそれ………」



「そのまんまよ。

あんた、顔は………


………まっ、私の弟だから、まあまあなのよね…」




急に誉められ(?)、奈津は顔を真っ赤にさせた。




「家事は全般的にできるし…

性格は………少しあれだけど、もの好きな子にはいいのかもね」



「おい、一体何の話だよ?」



「あんたは知らなくていいわ」




そう言って、彩芽は奈津の分析を進めた。