危険な彼女

「………じゃあ、6時に神社の前でいいんだな?」



『そうよ』



「了解、んじゃまたあとでな」




そう言って奈津は電話を切ろうとした。





………のだが、





『ちょ、ちょっと!!』




どうゆうわけか桜がそれを阻んできた。



まだ言い足りないのかと、奈津はため息をつく。



「あん?

まだ何かあんのか?」



『そうじゃないけど…』




そう言って桜は再び口ごもった。




――また言いにくいことなのか?




奈津はますます不安になってきた。




「おーい、聞いてるかぁ?」



『き、聞いてるわよ!!

何よ、せっかち!!!』


「せっ………」




――せっかちってお前………




どちらかと言うと、桜も十分せっかちなのだが、桜自身に自覚はないようである。