危険な彼女

その後、いつもどおり、桜の命令のオンパレードが始まった。



遅刻したら殺す。


はぐれたら殺す。


射的に私がほしいものがあったら取るまでやめさせない(奈津の自腹)。




『………ってことだから、わかった?』



「……………」



『わ・か・っ・た?』



「はい………」




――そんなことで俺は自分の命をかけなきゃならないのか…




奈津は本気で泣きそうになった。



しかし、涙は出ない。



慣れた、と言うのが一番なのだが、平たく言うと彼の涙は枯れてしまっていたのだ。