危険な彼女

こんなにかわいくて、優しくて、料理ができて、頭がよくて、ちょっとドジだけど…そんなところは愛らしくて………





そんな亜紀が自分のことを好きだと言う。





嬉しいんだ。



喜んでいいはずなんだ。




こんな子が自分を好きでいてくれることを、幸せと言わずに何と言えばいいのだろう。





………なのに、



何で自分は、素直に喜べないのだろう。




亜紀の何が不満なんだ?



何が嫌なんだ?






………いや、そんなものはない。



むしろ、いいとこだらけなんだ。




「………俺は………」




苦し紛れに言葉を発する。



もちろん、その後に言葉が続くわけがなかった。