危険な彼女

「何で…そんなこと言うんだ………?」




奈津が小さな声で聞いてきた。



その声にハッとする。




まだ奈津は言葉の意味を理解していない。



奈津のことが好きだ、とゆう気持ちが伝わっていない。




そう感じた亜紀は、抑えきれない感情が溢れ出し、言葉を発した。




「なっちゃん…鈍すぎるよ…」



「………え?」




きょとんとした表情で、戸惑っている様子の奈津。



しかし、亜紀の言葉は止まらない。




「私にとって…なっちゃんはヒーローで………


幼なじみで………



大切な人なのに………」




思わず泣きそうになる。



でも、今ここで言葉をきるわけにはいかなかった。




「私はね………好きなんだよ…


大好きなんだよ………


なっちゃんのことが………


ずっと…ずっと前から………」