危険な彼女

「さて、と…勉強だったな。

ここでするか?
それとも俺の部屋でするか?」




麦茶を飲み終わり、しばらくゆっくりとした頃、そろそろ会話のネタも尽きたため、本題を出すことにした。




「あ、えと……

なっちゃんの部屋、行きたいな…」



「よし、決まり。

んじゃ、俺はこれ片づけてくるから先に行っててくれ」



「う、うん…」




そう言って、奈津は麦茶を飲み干したグラスを両手に持ち、キッチンに向かった。



慣れた手つきでささっと洗い、食器乾燥機に入れる。




奈津は、ついでに何か食べ物を探し、手ごろなものを見つけ、自分の部屋へ向かった。





「にしても………」




部屋へ向かう途中、ぽつりとつぶやいた。




――亜紀と二人きりで勉強って…
やばくないか?




そして、胸に手をやる。



心臓は保健室のとき以上にバクバクしていた。



こんなになったのは初めてかもしれない。




「俺…心臓もつかな………?」




一抹の不安を抱えつつ、奈津は自分の部屋のドアを開けた。