危険な彼女

混乱のあまり奈津は口をパクパクさせている。



まるで餌を求める魚のようだ。




「ふっふふ〜ん♪」




妙に桜の機嫌がいい。



怖いです。


鼻歌なんて歌ってやがります。



そして、何やら一つ二つと携帯のボタンを押していらっしゃいます。





「さて、と…

私、さっき何て言ったかしら?」





携帯片手に微笑む桜。



いや、間違えました。



あれは悪魔です。





「三回回って…?」




子供にクイズの答えを諭すかのように言う桜。



ぐっ、と拳を握りしめ、必死に苦笑いがひきつらないようにこらえる。





――それを俺に言わせるつもりかお前は………





「三回回って?」





どうやらそのつもりらしい。