危険な彼女

「な、何すんだよっ!!」



「うるさい!!

あんたはそこで頭…いや、脳から何まで冷やしてなさいっ!!!」




そう言って足でバシャバシャと水をかけてきた。



分かる人には分かると思うが、意外とこの攻撃はめんどくさい。



なんと言っても視界が遮られるのだ。



奈津はプールから上がろうにも上がれない状況になっていた。




「ちょっ…いい加減に………」




「やめてほしかったらその場で三回回って、ワン、って鳴きなさいよポチっ!!!」




「ふ、ふざけんなっ!!!

あんなこと二度と………」




そう言うと同時に水しぶきが止んだ。



俺はキョトンとしながら桜を見た。




もしかしてわかってくれたのか?、などと思っていると………





さっ、と桜の右手には何かが握られていた。