危険な彼女

自分でも、妙に甲高い声が出たことに驚いたらしく、桜は真っ赤になりながら奈津を見上げた。




「あんた…
私を驚かせるなんていい度胸してるじゃない…」



「いや、今のはお前が勝手に…」



「う、うるさいわねっ!!

いきなり声をかけてくるほうが悪いのよ!」





つん、としてそっぽを向く桜。



鈍い奈津でも分かる。



どうやら照れているようだ。





「ぷっ………」



「な、何笑ってんのよ…」



「いや、お前…おもしろいわぁっぷ!!!?」




二の句を告げる前にプールに蹴り飛ばされる。



何だかお決まりのパターンになってきたな、と奈津は自分をかわいそうに思い始めていた。