危険な彼女

「………ったく」




奈津はプールから足を出すと、ゆっくりと桜のところへ向かった。



梓さんの話では、小、中学と、桜は友達がいなかった。



ならば、高校でも友達がつくれていなくてもおかしくはない。



そう考えると、何だか放っておけなくなっていた。





「………なーにやってんだ?」



「ひゃっ!!」



「………ひゃっ?」




桜らしくない、女の子らしい声を出され、思わず奈津は固まった。