危険な彼女

「ほら、早く言いなさいよ」



「だから、何をだよ…?」


「いろいろあるでしょうが!

似合ってるなぁ、とか、かわいいなぁ、とか、結婚してくれ、とか」



「ちょっと待て。

何か一つ変なのが入ってなかったか?」



「あら、いいんじゃない?

プロポーズしちゃいなさいよ」



「な、ん、で、そうなるんだあぁぁぁああ!!!!」





クスクスと口元に手をあてて笑う美冬。



こいつは俺をからかう対象として遊んでいるらしい。



しかも、亜紀をだしに使うのだからたちが悪い。



亜紀を使われては執拗に反論や否定ができなくなってしまうのだ。





「と、とにかくっ!!

言えばいいんだろ!?
言えば!!!」




俺はそう言って、亜紀に向き直った。



ごほん、と一つ、咳払いをし、亜紀を見る。