危険な彼女

地面に叩きつけられた痛みと、顔面を蹴られた痛み。



二重の痛みが奈津を襲い、たまらずのたうち回る。




「な、なっちゃあんっ!!!」




目の前でふっとんでいった奈津に亜紀は駆け寄った。


今まで見たことないくらい見事な蹴りに唖然としていたため、少し対応が遅れてしまっていたのである。





「だ、大丈夫…?」





ハンカチを取り出し、奈津の汗や汚れを拭く亜紀。



彼女が一瞬天使に見えたとゆう奈津を誰が責められようか。




「あ、あぁ………

まあ、なんとか………」




そんな二人の雰囲気をおもしろく思えない人物がここにいた。