危険な彼女

「ん?
どうした?」




「さ、最近………

よく、桜ちゃんと登校してるよね………」



「は?

………あ、ああ。
ちょっとわけあってな…」




そう言うと、亜紀は心底不安そうな表情を浮かべ、地面に顔を向けた。



何か気に障るようなことを言ってしまったのだろうか?




「亜紀?
俺…なんか変なこと言った?」



「あ、ううん…

言ってないよ…言ってないけど………」




そこで、亜紀はさらに沈み、どんよりとした空気を漂わせた。



しかし、数秒後、意を決したように顔を上げ、俺をまっすぐに見てきた。