危険な彼女

「あ…な、ななっちゃん…

お、おはよぅ……!」




学校近く、あと数百メートルとゆうところで、亜紀が声をかけてきた。



両手で鞄を持ち、少し汗を輝かせながら眩しい笑みを俺に向けてくる。





――ほんと、同じ女とは思えねぇよな………




俺は軽く亜紀に言葉を返し、前をずかずか歩く桜に視線をうつした。



少しでも亜紀のように女の子らしさを出せるようになれば、人付き合いもよくなるだろうに…




そう考え、数秒後、首を横にぶんぶん振った。




――ありえねえ…


そんな桜はありえねえ………


つーか、こえぇよ………




奈津は小さく体を震わせた。