うだるような夏の日差しが照りつける中、俺は両手に鞄を抱えて歩いていた。



両手に鞄、もちろん片方は桜のである。





「あのよぉ…
鞄くらい自分で持てよぉ…」




「嫌よ、めんどくさい」





――私もめんどくさいです桜さん





俺は相も変わらず桜の言いなりだ。



梓さんにはああ言ったが………




結構きつくないか?これ?




流れる汗を拭きながら、早まった気がしてならない奈津であった。