危険な彼女

数分後………




「んじゃ、俺、帰るから…」




奈津は腹部を痛そうにさすりながら桜に言った。



もちろん、当の桜に罪の意識なんてあるはずなく、ベッドに座りながら髪をとかしている。





――じゃあね、の一言もないのかよ、こいつは………




そうは思っていても、期待はしていない。


慣れとはいえ怖いものである。





「………ちょっと」




………と、思ったら、どうゆうわけか桜は俺を呼び止めた。



意外な展開に、思わずびくりと体を震わす。