危険な彼女

「ど、どうした桜っ!!?」




茹で上がったタコのような表情で、桜は放心状態に陥っていた。



慌てて俺は桜の額に手をやる。





「熱………じゃ、ないな………


………湯冷めか?」




「………あ………ぅ………」




桜は、か細く何かを言うと、むくりと起き上がった。



そして………





ドゴッ!!




「っ!!!?」




「だ、誰がごごごご主人様に触れていいって言ったのよ!!!

この変態奴隷!!」





反論したい。


もちろん奈津は反論したかった。




しかし、予想以上の威力で突き刺さったボディーブローにより、奈津は小さくうずくまらざるをえなくなっていた。





「し、しかも!!!


わ、わわ私が!!!
あんたを!!

す、すすすすぅ………!!!?




………そ、そんなことありえないわよっ!!!

ない、ないない!!!


地球がひっくり返ってもない!!!!」





当の奈津は、痛みのあまり、すでに地球がひっくり返っているように見えていた。