危険な彼女

そうだ、


俺にしてやれること。





友達でいること。



居続けること。







あいつが寂しい思いをしないように………







俺は少し照れ笑いを浮かべながら話し始めた。



「たしかに、最初は権力使われて一緒にいましたけど………







今は俺、あいつと会えて良かったって思ってる部分があるんですよ。


あいつといると退屈しないっていうか…



………楽しいんです、毎日が」





殴られたり、蹴られたり、ぶたれたり、踏みつけられたり、連れ回されたり、振り回されたり、変な弁当食わされたり、妙に緊張させられたり………




……………




…少し痛々しいが、気にしない。








しかし、今、思い返すと、俺の高校生活はあいつがいて成り立っていると言っても過言ではない。





「………クス。


なんてゆうか………
奈津君、君って不思議な人だね」




梓さんはおもしろいものを見るような目で、俺をじろじろ観察し始めた。


俺は若干どぎまぎしながら俯く。





「まっ、さすがは桜がす…………っ!!!」




梓さんは、何かを言おうとして、慌てて口をふさいだ。


珍しい。


梓さんらしくない反応だった。




「桜がす………?


"す"って何ですか?」




当然の疑問。


俺は執拗に問いかける。



「い、いや………

桜がす…す………」