危険な彼女

桜に蹴られた部分をさすっていると、梓さんはクスクス笑いながら俺を見ていた。



人の不幸は密の味、とはよく言うが………





兄ならなんとかしてくれ。



それが俺の正直な思い、もとい、心の叫びだった。





「クスクス…

まあ、もっと見たかったんだけど、そうはいかないんだよね」




梓さんはそう言って桜に視線をうつした。




「桜、まだお風呂に入ってないだろう?

一日動き回って汗、かいているんじゃないか?」



梓さんがそう言うと、桜は顔を真っ赤にした。



慌てて自分の服のにおいをかぎ、一目散に部屋を出ていった。




――おお、

あの桜が子供のように…



…と、いつもは見ない桜の姿に、俺は新鮮な感情を感じていた。