危険な彼女

外見もすごかったが、中もものすごく豪華なつくりになっていた。



シャンデリアに赤い絨毯、見たこともない高そうな絵画に壺。



ここにいていいのだろうかと改めて思う奈津であった。




「そう固くならないで下さい。

奈津さんは桜お姉様のお友達なのですから」



隣で自分より頭二つ分くらい小さな少女が言う。


さっきは少し暗くてわからなかったが、こう見ると、顔立ちが桜に似ていた。




………あくまで無垢な笑顔が、だが。



この子も桜のように小悪魔のような笑みを浮かべるのか………?



一瞬そう思ったが、忘れることにした。



こんなかわいらしい子のそんな表情見たくないと切に願うのであった。




「あの…柳さん?」



「………ん、ああ、ごめん」




瞑想に夢中になっていたせいで、少し意識がトリップしていたようだ。

次からは気をつけねば。