危険な彼女

"怖い"


先程までの好青年はどこに行ったのやら、梓さんの雰囲気ががらりと変わってしまっていた。



「と、とにかく…
僕と桜はそうゆう関係じゃありませんよ」




「………ふぅ。

まあ、そうゆうことにしとくよ」




「そうゆうことにしとくって………」




「まあまあ、この話はもうおしまいだ。

早いとこ、桜をベッドに運んであげないとかわいそうだしね」



そう言って梓さんは俺の背中ですやすやと眠る桜の頭をそっとなでた。



それに反応した桜の体が小さく震える。



桜の長い髪が首もとにあたり、少しくすぐったくなった。




「ふふ…

それじゃあ、行こうか」


そう言って梓さんは歩き出した。