危険な彼女

「そういえば………」



―こいつの家って…どこだ?



遊園地のゲートを出てからしばらくして気づく。


この爆睡中のお姫様の城はどこ?




………わからない。


いや、知るはずもない。



一般ピープルの俺が、かの有名な
姫川財閥の家など知っているわけ
なかった。




「え〜と………」




―俺はどうすれば?



簡単に言えば、桜を叩き起こせばいいんだが………



それは無理だ。


眠れる獅子は起こしてはならない。


短いながらに経験がそう告げていた。