危険な彼女

かと言って………


すやすやと眠る桜を起こすわけにはいかない。




…正確にはすやすやと眠る桜を起こしたら何をされるかわかったもんじゃない。




「ぐ………」




――落ち着け、俺。



よく考えてみろ、観覧車が下にたどり着くまであと十分はある。


それまでに桜が起きるかもしれないじゃないか。



いや、起きる。

自ら起きる。



てか、起きてくれないと困る。




俺は桜が自分で起きるのを願いながら、観覧車からの景色を眺めた。