危険な彼女

私は奈津に顔を見られないように二、三回深呼吸をした。



すー、はー、すー、はー………




…よし、もう大丈夫。



「ってて………」




再び奈津を見ると、少し涙目になりながら頭をさすっていた。




「お、お前…普通いきなり人を突き飛ばすか?」




怒りとも苦笑いともいえる二つが混ざり合った表情で奈津は私を見ていた。


私は負けじとキッ、と奈津を睨みつけた。




「あ、あんたがやらしい雰囲気をかもしだしてたからよ!!」



「なっ!?
ふざけんなっ!!

お前が倒れてきたんだぞ!?」



「う、うるさい!!
大体私をお前呼ばわりするんじゃないわよ!!!」



「お前をお前って言って何が悪いってんだ!!」



「あ、あんた………

私に口答えするつもり!!?」




私達はそのままお互いにうなりながら睨み合った。