危険な彼女

「はあ…はあ………」




「な、何で………」




息を切らし、膝に手を当てながら呼吸を整える彼。



………それは奈津だった。




「あ…あんた、何やってるのよ」



「何って…観覧車、乗りたいんだろ?」




奈津は当たり前、とでも言うかのように向かいの座席に座った。



そして、窓の外を眺める。


私も、それに合わせるかのように窓の外を眺めた。




しばらくの沈黙。




奈津は何も言わなかったし、私も何も言えなかった。


そんなこんなで観覧車はあっという間に最上部にいた。


そこでやっと私は口を開く。