危険な彼女

恐る恐る桜を見た。


桜はとゆうと、相変わらずうつむいたままだった。







………拳をぷるぷると震わせながら…だが。





「ち、違うんだ今のは!!

け、決して桜と乗るのが嫌ってわけじゃなくて………」




「ああ、そう………

そんなに乗りたくないんだ、私と………」




「う………」




―まずい、反論の余地なしっぽいぞ………





「そうよね、私と乗ってもあんたは楽しくないわよね、亜紀ちゃんと乗るほうがずっといいわよね」



「何でここで亜紀が出てくんだ………?」



「いいわよいいわよ!!!!

こうなったら私一人で乗ってやるんだから!!!」





そう言って桜はずかずかとものすごい音をたてながら観覧車へ向かって一直線に走っていってしまった。




そして、俺はぽつんと一人残されてしまった。