危険な彼女

頭をぽりぽりとかく。


なんか、調子が狂ってきた。




「………ああ、ったく!!!」




俺は桜の手を掴み、走り出した。


桜は突然のことに小さな悲鳴を上げたが、ぶっちゃけそんな余裕はなかった。



早いとこ、ここを出たかったからだ。




………何故って?


そんなの決まってる。



こんな桜は………




………なんか、違和感ありすぎ。






「ちょっ…な、奈津…
は、早い…ってば……」



「いいから走れ!!!」





いつもは俺が命令なんてありえないのに、こういうときはすんなりとできてしまう。





…やっぱり、違和感ありすぎ。